40代50代は「中年太り」でお腹周りに贅肉がつきやすい年代。特に女性は閉経期と重なることから、体型だけでなく、ホルモンバランスや情緒面など、さまざまな面において変化が激しい時期です。
「更年期だから仕方ない」とあきらめる前に、中年太りになりやすい要因をなるべく遠ざけ、効果的な脂肪対策をしてみましょう。今回は、数あるダイエット情報の中から、中年太りにフォーカスしたダイエット情報をご紹介します。
※なお本記事は、弊社から監修者に依頼し、いただいたコメントを編集して掲載しています。
【監修者プロフィール】
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奥田ようこ/薬膳認定講師・野菜ソムリエ・発酵食スペシャリスト・食育インストラクター クッキングサロンecru主宰。武庫川女子大学家政学食物学科卒。食と健康にまつわる多数の資格を保持。自身の病気をきっかけに病気を予防する食事を考え薬膳にたどり着き、発酵食と薬膳を通して身体を整える料理を伝えている。2018年より朝日新聞タウン誌ぶんぶん料理教室チェリーテラスサポーターとして活動しているほか、バーミキュラアンバサダー、米国食肉輸出協会公認アメリカンポークマイスターなど企業タイアップも多数。食に関する記事やレシピ監修、食育講座、出張教室、味噌作り教室、出張料理のほか、オンラインレッスンも実施。
【目次】
女性の中年太りで気になるお腹周り。原因は?

30~50代頃に見られる中年期の肥満傾向のことを一般的に「中年太り」と呼んでいます。その中でも、女性ホルモンの減少が大きく関係する40~50代の女性の肥満は「更年期太り」と呼ばれることもあります。
女性の更年期は、お腹周りに脂肪がつきやすくなるのが大きな特徴。中年期に差しかかると、なぜお腹が急に前に出てきてしまうのか、考えられる主な原因を下記に挙げてみます。
エストロゲンの減少と内臓脂肪の増加
もともと女性は内臓脂肪よりも皮下脂肪がつきやすい傾向にありますが、更年期以降になって女性ホルモンのエストロゲンが減少してくると、内臓脂肪が増加しやすくなります。腹囲が大きくなり、お腹が前にぽっこりと出てきた人は、内臓脂肪が蓄積しているかもしれません。
見た目の問題だけでなく、健康リスクも高くなりますので、内臓脂肪は一刻も早く減らしたいものです。痩せているように見えても、内臓周りにはたっぷりと脂肪がついているというような「隠れ肥満」もありますので、中年期以降の女性はお腹周りの脂肪に気を付けましょう。
腹圧の低下
加齢や運動不足などが原因で、筋力が衰えると腹圧が低下します。腹圧は胃や肝臓など内臓が集まる横隔膜の下の腹腔内部にかかる圧力のことを指しますが、この圧力が下がると内臓がお腹の周囲に下垂してきます。
臓器の下垂はお腹が前に出る原因のひとつ。筋力を高めて腹圧が正常になると、臓器をしっかり支えられるため、お腹周りが引き締まって見えるはずです。
骨盤の歪み
妊娠出産などで骨盤が広がったままになっていたり、悪い姿勢を長期間続けていたりすると、骨盤の位置が歪んでしまうことがあります。骨盤の歪みは、内臓下垂や血液循環の悪化、運動効率の低下につながります。その結果、中年太りが悪化して、お腹がさらにぽっこり前に出てしまうのです。
日々の姿勢に気を付けるとともに、エクササイズなどで骨盤を適切な位置に戻すことが大切です。
40~50代の中年太りのお腹周り、なぜ痩せなくなる?

中年太りの原因は、「年齢とともに基礎代謝が低下すること」「筋肉量が減少すること」「生活習慣やホルモンの変化」など、さまざまな要素が複雑に重なり合っています。効果的に脂肪を減少させるためにも、まずは太るメカニズムを正しく知りましょう。どうして脂肪がつきやすくなり、お腹周りが痩せづらくなるのか、主な原因を挙げながら説明していきます。
基礎代謝の低下
人間の生命を維持するために必要な基礎代謝量は、年齢とともに減少することがわかっています。若い頃と同じように食べているだけなのに急に太り出したという場合は、基礎代謝の低下がその一因かもしれません。
筋肉量が減ってエネルギー消費量が減少することが、基礎代謝が低下する大きな理由のひとつ。お腹周りが気になる40代50代の女性は、定期的にエクササイズをして筋肉量を増やすように心がけましょう。筋肉量がアップすると、基礎代謝の低下を緩やかにすることができるはずです。
年齢 | 男性 | 性女性 |
基礎代謝量(kcal/日) | 基礎代謝量(kcal/日) | |
12-14歳 | 1520 | 1410 |
15-17歳 | 1610 | 1310 |
18-29歳 | 1520 | 1110 |
30-49歳 | 1530 | 1150 |
50-69歳 | 1400 | 1100 |
ストレス増加と暴飲暴食
40代50代には、さまざまなストレスが襲いかかります。仕事や人間関係のストレスに加え、子どもの教育や進学にまつわる経済的負担、親の介護問題など、悩み多き年代といえるでしょう。また、更年期の症状のほか、腰痛や老眼、その他の健康の問題が出てくるなど、自分自身の体調もストレスのひとつになりえます。
厚生労働省の調査によれば、実に40代女性の約6割、50代女性の約5割がストレスを抱えていると報告されています。暴飲暴食をしたり、糖分の多い食べ物を食べたり、お酒の量が増えたりなど、ストレスから食生活の乱れが生じると、お腹の脂肪の増殖に拍車をかけてしまいます。
ニューロン委縮による脳機能の低下
加齢とともに脳の視床下部にある一次繊毛が退縮し、脂肪を燃焼させたり食欲を抑制したりする受容体(メラノコルチン4型受容体・MC4R)の機能が低下するという、名古屋大学の最新の研究報告が注目されています。
加齢でMC4Rの量が減少し、満腹シグナルを脳が感じにくくなることが、中年期以降に太りやすくなるメカニズムとされており、中年太りの悩みにありがちな「抑えきれない食欲」の解明と今後の肥満対策に期待が寄せられています。
メタボリックシンドロームに該当する腹囲は?

お腹が前にせり出した肥満体型を「メタボ体型」と呼ぶこともありますが、そもそもメタボリックシンドロームとは、どういう状態を指すのでしょうか?
メタボリックシンドロームは、お腹周りの脂肪の蓄積に加え、血中の脂肪分が高いなど、複数のリスクが組み合わさった状態で、生活習慣病のひとつとされています。食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足、ストレス過多などが原因といわれますが、理由が何であれ、重大な病気を招きかねないハイリスクな状態には変わりありません。一刻も早くメタボ体型から脱出し、より健康的な身体へ近づきましょう。
メタボに当たる腹囲とは?
おへその周りをぐるりとメジャーで測り、男性の場合は85cm以上、女性の場合は90cm以上ある場合は、メタボの腹囲に該当します。
測定する場所は、ウエストの最もくびれた部分ではなく、おへその周りの腹囲です。お腹に脂肪が蓄積し、内臓脂肪が多いと腹囲も大きくなります。手足が細くても、お腹周りを測ったらメタボ体型だったという人も少なくありません。お腹周りのサイズが気になり始めた人は、一度、自分の腹囲を確認してみましょう。
更年期に痩せる場合の原因は?

「更年期は太りやすい」といわれることが多いですが、中には更年期の影響で痩せてしまう場合もあります。女性ホルモンの乱れが自律神経の乱れを引き起こし、その結果、食欲が減退することがあるのです。
女性ホルモンのエストロゲンには、胃の粘膜を保護するという役割があります。そのため、更年期になってエストロゲンが減少すると、胃がもたれたり胸やけしやすくなったりして、食欲不振に陥る人が出てきます。更年期に必要以上に痩せてしまうと、健康や美容に悪い影響を与えかねません。はつらつとした自分を取り戻すためにも、下記のような点に注意して、食事をしてみましょう。
胃腸を温める食べ物をとる
更年期で痩せてしまう人は、胃腸の働きが悪く、食事からきちんと栄養素が吸収できていない恐れがあります。特に「手足が冷たい」「生理が重い」など、身体が冷えやすいタイプの人は、内臓を温める食材を積極的に食べて、胃腸をサポートするようにしましょう。
内臓を温める食材の代表格に当たるのが、黒豆や黒ゴマなどの黒い食材。黒い食べ物には抗酸化力の高いポリフェノールが多く含まれ、美容面でもうれしい効果が期待できそうです。また、鶏肉やニラ、エビなども身体を温める温熱性の食材として知られています。
イソフラボンを多く含む食べ物をとる
エストロゲンとよく似た働きをするものに、ポリフェノール化合物のイソフラボンがあります。このイソフラボンを最も多く含んでいるのが大豆。豆腐や納豆、味噌、おからなど、大豆製品を食べて、ゆるぎやすい更年期の健康をサポートしましょう。
よく噛むと甘みが出る食べ物をとる
胃腸が弱っているときは、大豆や米など、よく噛むことで甘みが引き出される食品がおすすめ。よく噛むことで甘みが出るのは、唾液の酵素が食べ物に含まれている糖質を分解して甘みを引き出しているためです。
なお、ここでおすすめしているのは、口に入れた瞬間に甘みを感じるような糖分がたっぷりの食品ではなく、よく噛むことでほのかな甘みを感じられる食べ物のこと。よく噛むと消化酵素を含んだ唾液がたくさん分泌されます。消化がスムーズになると胃腸の負担が減少するため、食欲も回復してきます。
40代50代の中年太りの女性が痩せるために必要なこと

なかなか手強いといわれる中年太りですが、年齢や性別にかかわらず、痩せるためには、バランスの良い食事、適度な運動、良質な睡眠の3つのアプローチが大切です。
バランスの良い食事
偏った食事、特に加工食品や高カロリーな食べ物、糖質の過剰摂取は肥満をさらに加速させます。野菜や果物、玄米などの全粒穀物、魚・鶏肉・豆類などの良質なたんぱく質などを含んだ、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
適度な運動
理想的なのは、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動と筋肉を鍛えるトレーニングを組み合わせた運動を継続して行うこと。とはいえ、もともと運動習慣がなかった人が、厳しいエクササイズをルーティン化するのは至難の業です。まずは5分や10分といった短い時間でも良いので、一日の中にエクササイズをする時間を組み込むことからスタートしてください。短い時間のエクササイズでも、続ければ徐々に身体に変化が表れます。結果が見えると、やる気も体力もアップするはず。
良質な睡眠
良質な睡眠は健康的な生活の基本です。40代50代の女性は睡眠時間が少ないだけでなく、夜間に中途覚醒してしまう人も多い年代。睡眠の質の低下は活力を減退させるだけでなく、食欲を増加させて太りやすくなります。
「寝る前のスマホをやめる」「お風呂でゆったりリラックスする」など、快適な睡眠をサポートする習慣をつけましょう。
40代50代の中年太りにおすすめの食べ物

中年太りに悩む女性におすすめなのが、あまり精製されていない食品を日々の食事に取り入れることです。例えば、米食なら精製済みの白米よりも玄米や雑穀米、パン食なら白いパンではなく全粒粉パンやライ麦パン、雑穀パンなどに変えてみましょう。
精製済みの食品は口当たりが良く、食べやすいものが多いですが、精製の過程でビタミンやミネラル、食物繊維などの大切な栄養素が失われることがよくあります。特に食物繊維が不足した食品は、食べるとすぐに消化吸収され、血糖値を急激に上げてしまいます。また、満腹感が得られにくいため、つい食べ過ぎてしまうことも。
一方、あまり精製されていない食品は、栄養価が高く食物繊維も豊富。消化吸収がゆっくりと行われるので、血糖値の急激な上昇を防ぎ、満腹感が長続きします。ダイエット中の女性にとって、糖分の高いものや油っぽいものを避けることはもちろん大切ですが、それだけでなく、食物繊維の多い食べ物を日常的に摂取することも効果的です。
精白されていないご飯やパンの食べ方おすすめレシピ
玄米黒豆ご飯
黒豆をはじめ、黒いものは身体を温める食材として知られています。たんぱく質、ポリフェノール、イソフラボンもたっぷりで、おにぎりにして冷凍しておくと助かる一品です。卵を入れた具沢山味噌汁をプラスすれば、よりパーフェクトな朝食になります。
【材料】
玄米2合
炒り黒豆60g
天然塩 小さじ1/2
水460cc(圧力鍋の場合)
※炊飯器の場合は玄米モードに従い水加減したものに水60ccを足す。
【作り方】
1.玄米はしっかりと研いで水をきる。
2.圧力鍋に1と天然塩・水を入れてよく混ぜ、煎り黒豆をのせて蓋をして火にかける。
3.沸騰して圧力がかかったら、弱火にして15分で火を止め10分蒸らす。
全粒粉パンの納豆チーズのせ
チーズの中でもカロリーが低いカッテージチーズを使用。ヘルシーでたんぱく質もミネラルもたっぷりとれる、朝食におすすめの簡単な一品です。
【材料】
全粒粉食パン 1枚
カッテージチーズ 20g
納豆 1パック
玉ねぎスライス お好みで
海苔 お好みで
【作り方】
1.納豆をよく混ぜて、たれや醤油など好みの味をつけ、カッテージチーズと混ぜる。
2.パンをトーストして1をのせ、玉ねぎスライスとちぎった海苔を乗せる。
40代50代の中年太りのお腹周りのダイエット方法

お腹周りの脂肪が増加するのは、中年太りのひとつの特徴。お腹の脂肪対策にフォーカスするなら、やはりエクササイズは欠かせません。全身を動かす有酸素運動、お腹の筋肉を鍛えるトレーニングの中から、取り組みやすいエクササイズを始めてみましょう。
また、食事の改善や運動に加えて、お腹の脂肪の減少をサポートするサプリメントを活用すると、より脂肪対策がスムーズに進むかもしれません。
おすすめの有酸素運動:インターバル走
短時間で高い脂肪燃焼効果が期待できる方法です。自分の体調を見ながら、無理のない範囲で取り組んでみましょう。
1.ゆっくりとしたペースで5〜10分間ジョギングをして、身体をウォーミングアップします。
2.30秒間、できる限りのスピードで走ります。
3.ゆっくりと1〜2分間歩いて、回復します。
4.高強度の運動(2)と低強度の運動(3)を5セット繰り返します。
5.5〜10分間ゆっくりと歩いてクールダウンします。
おすすめの筋トレ:プランク
お腹の筋肉はもちろんのこと、背中や肩、腕、脚などの筋肉も鍛えられるプランクは、代表的な体幹トレーニング。正しいフォームで継続して行えば、効果的に筋力アップできます。
1.うつ伏せの状態で、床に両肘をつきます。このとき、肘が肩の直下に来るように位置を調整しましょう。
2.腰を浮かせて背中を伸ばし、足のつま先と肘で、身体が一直線になるように支えます。
3.お腹の筋肉を引き締め、30秒~1分間、姿勢を保ちます。慣れてきたら、徐々にキープする時間を長くしていきましょう。
おすすめのサプリメント:ブラックジンジャー
効率良くお腹の脂肪を減らしたい場合は、ブラックジンジャー由来のポリメトキシフラボンを含むサプリメントを活用しても良いでしょう。ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンは、BMI 24~30の人を対象とした研究レビューで、腹部の脂肪減少効果が報告されています。ただし、同じサプリメントでも、用途や成分に違いがありますので、必ずお腹の脂肪減少を目的とした機能性表示のあるものを選ぶようにしましょう。
まとめ
女性が更年期に差しかかる40代50代は、中年太りになりやすい時期。ホルモンバランスの乱れ、腹圧の低下、ストレス増加など、複数の要素が重なり合って、お腹周りに脂肪を溜めやすい状態になっています。
食事や運動、睡眠など、毎日の生活を少しずつ見直しながら、太りやすい更年期を乗り切りましょう。お腹周りの脂肪対策にフォーカスしたい人は、ブラックジンジャーを使用したサプリメントを活用するのもひとつの手です。また、ほてりやうつ症状など、その他の更年期症状が強くある場合は、医師などの専門家に相談しながら、安全に更年期対策をされることをおすすめします。
信頼の機能性表示食品
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン配合「シボリーナ」

ニッセンの脂肪対策サプリメント「シボリーナ」。ブラックジンジャーの力で、BMIが高め(BMI24以上30未満)の方のお腹の脂肪を減らす機能が報告されています。研究レビューでは、12週間の評価でお腹の脂肪が平均で-13.8㎠減少。内臓脂肪面積も-4.3㎠減少し、皮下脂肪と内臓脂肪の両方にアプローチします。機能性表示食品「シボリーナ」は、エビデンスに基づいた日本製の高い品質はもちろん、一日2粒目安のお手軽さ、継続しやすい価格など、毎日安心して活用していただけるよう、お客さまの声を反映して開発されました。毎日のブラックジンジャー習慣で、気になるお腹の脂肪対策を。無理なく、そして健康的に、お腹の脂肪減少を目指しましょう。
参考:
[解析対象者]
下記に該当する被験者を除いた、健常な男女52名にて解析
高血圧(収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上)
脂質異常症(HDLコレステロール40mg/dL未満、血中中性脂肪150mg/dL以上)
高血糖(空腹時血糖126mg/dL以上)
試験データ:ブラックジンジャー抽出物150mg(ポリメトキシフラボン12mg)配合品または非配合品を12週間、毎日摂取した比較試験結果
※研究レビューによる評価です
出典元:Diabetes Metab Syndr Obes.2018;11:447-458.