基礎代謝の低下は、太りやすくなる主な要因のひとつ。加齢によって身体の筋肉量が減ると基礎代謝量も落ちますが、身体を鍛えて筋肉量を増やせば、太りにくい身体をつくることができます。
今回は、朝と夜のルーティンとして無理なく生活に取り入れられる、代謝アップのための筋トレ&ストレッチの方法をご紹介します。
※なお本記事は、弊社から監修者に依頼し、いただいたコメントを編集して掲載しています。
【監修者プロフィール】
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吉川タカコ/パーソナルトレーナー・ダイエットアドバイザー・ベリーダンサー 株式会社リブラ代表取締役。同志社大学神学部卒業。フィットネス&ファスティングのスペシャリストであり、現役のベリーダンサー。ダンス、体操などのスポーツ教室(スタジオティティ 神戸六甲)を軸に、健康・美容・痛み解消に関するクラスを多数開催しており、中でも日本人の体質に合った「グループファスティング」が人気。健康と美容の豊富な知識をもとにエビデンスのあるアドバイスを行うことに定評がある。各種体操指導資格、解剖生理学イギリスITEC認定国際ライセンス取得。
【目次】
女性の一日の基礎代謝量は?代謝が落ちるとどうなる?

「年齢と重ねると、代謝が落ちて太りやすくなる」といわれます。代謝とは、人間の生命活動を支える化学反応の総称で、新陳代謝とも呼ばれます。その中でも、体温維持や心拍、呼吸など、人間が生命を維持するために必要な最低限のエネルギー消費のことを基礎代謝と呼んでいます。
基礎代謝が体重管理に特に重要な要素だと考えられているのは、人間の総エネルギー消費量の60~70%を占めているため。基礎代謝は新陳代謝の一部として、互いに密接にリンクしながら人の健康を支えています。
日本人女性の平均的な基礎代謝量
年齢/女性 | 基礎代謝基準値 (kcal/kg/日) | 参照体重 (kg) | 基礎代謝量 (kcal/日) |
18-29歳 | 22.1 | 50.0 | 1110 |
30-49歳 | 21.7 | 53.1 | 1150 |
50-69歳 | 20.7 | 53.0 | 1100 |
70歳以上 | 20.7 | 49.5 | 1020 |
基礎代謝基準値を見比べると、年齢とともに基礎代謝の効率が悪くなっていることがわかりますが、一日の数字だけで見ると、20代と50代の基礎代謝量はわずか10kcal/日の違いしかありません。しかし、一日の基礎代謝量の差はわずかでも、1年間では約3,650kcalの差となり、体脂肪でいえば約0.5kgに相当するエネルギー量になります。これが10年間続けば、それだけで5キロプラスの計算になってしまいます。
また、筋肉量の減少も体重増加に関連しています。筋肉は脂肪よりもエネルギーを多く消費することが知られており、20代と比較すれば50代の筋肉量が少なくなっている可能性が高いので、同じ量を食べてもエネルギーが消費されにくくなっています。
さらに日々の活動量も年齢とともに減少する傾向にあるほか、食生活や女性ホルモンの変化なども基礎代謝量に影響を与える要素です。実際の基礎代謝は年齢だけでなく、性別や筋肉量などによって異なりますので、人によって太りやすさも大きく変わってきます。
基礎代謝だけじゃない。体重に関連する大切な代謝
体重は基礎代謝だけでなく、新陳代謝はもちろんのこと、食事誘発性熱産生・身体活動量などとも関連しています。体内のエネルギーバランスや成長、修復、維持に欠かせない代謝の働きを知っておきましょう。
新陳代謝
体内で物質を生成したり分解したりする過程を新陳代謝といいます。食べ物からエネルギーを作り出す異化作用と、そのエネルギーを使用して身体を構成する物質を合成する同化作用を行い、古いものを新しいものに作りかえる働きがあります。
例えば、肌や髪、その他の細胞を周期的に新しく生まれ変わらせる働きがよく知られています。基礎代謝は新陳代謝の一部なので、新陳代謝が活発になれば、基礎代謝も向上します。
その他のエネルギー代謝
食べ物をエネルギーに変える過程を含む代謝活動を食事誘導性代謝と呼びますが、これは一日の総エネルギー消費の10%ほどを占めています。炭水化物や脂肪、タンパク質の消化、吸収、輸送のほか、栄養素がエネルギーに変換されるまでの一連の反応などが含まれます。
また、日々の運動や活動によって消費されるエネルギーのことを身体活動量と呼びます。身体活動量は、一日の総エネルギー消費の30%ほどを占めています。
代謝が落ちるとどんな影響がある?
代謝が落ちると、効率的に身体の中でエネルギーを生成したり、物質を合成・分解したりするのが難しくなり、健康面にさまざまな影響を与えます。主な影響を見てみましょう。
体重の増加
代謝が落ちると、消費されずに残ったエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります。食べたカロリーを消費しきれなくなると、体重増加につながります。
疲れやすくなる
エネルギーを生み出す効率が悪くなり、筋肉やその他の組織にエネルギーが十分に供給されなくなると、疲れやすくなることがあります。
免疫機能の低下
代謝のプロセスは、免疫システムの機能維持にも密接に関与しています。代謝の悪化によって、感染症に対する抵抗力が低下するリスクもあります。
体温調節が困難になる
基礎代謝は体温維持の役割を担っています。そのため、基礎代謝が低下すると、体温を一定に保ちにくいため、寒さを感じやすくなることも。低体温のリスクも高まります。
ホルモンバランスの乱れ
代謝はホルモンの合成と分解にも影響を及ぼすことから、更年期にまつわる症状を含め、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。
筋力の低下
筋肉を維持・成長させるためのエネルギーが不足することで、筋力の低下や筋肉量の減少が起こります。筋力の低下は基礎代謝の低下につながるため、筋肉と免疫は切り離せません。
基礎代謝を上げるための方法は?

基礎代謝の低下は、加齢によって自然に起こる現象ですが、低下の度合いやスピードは筋肉量のほか、日々の生活習慣や食習慣によって個人で大きく異なります。筋肉と代謝を応援するエクササイズやストレッチ、バランスの良い食事や十分な睡眠など、健康を気遣った暮らしを送ることで、加齢の影響をできるだけ抑えましょう。
筋肉トレーニング
基礎代謝を上げるためには筋トレは欠かせません。運動によるカロリー消費をポイントに置くのではなく、筋肉をつけてエネルギー消費しやすい身体を作るのが目的です。三日坊主にならないように、日常生活に組み込んで実践しやすい筋トレを毎日継続できれば、代謝対策にもボディメイクにも効果抜群です。
ストレッチ
ストレッチだけで筋力を高めたり、代謝を上げたりするのは難しいですが、筋トレと組み合わせることで、より効果的に基礎代謝を上げることができます。筋肉や骨のつながりをサポートする筋膜をしっかりとストレッチすると、運動効率が高まりやすくなり、さらなる筋力アップが期待できます。
腸内環境を整える
食事から取り入れる糖質や脂質の種類や量に気を配ることで、腸内フローラを健康に保ち、栄養素の消化吸収やエネルギー転換をサポートできます。
砂糖や、油っぽい食べ物やマーガリンなどのトランス脂肪酸を控えるなど、腸と身体の健康を考えた食事を心がけると、代謝が促進されるほか、お通じの改善や免疫力アップなど、美と健康に良い影響が期待できるでしょう。
基礎代謝を上げるためのポイントは?

基礎代謝を上げるための一番のポイントは、筋肉をつけることです。そして、筋肉量を増加するには、やはり筋肉を鍛えるトレーニングが必要。
筋トレといえば、スポーツジムで本格的に取り組む姿を想像しがちですが、家でできるシンプルな筋トレでも十分に筋力アップが望めます。長く継続すると、基礎代謝が上げるだけでなく、ボディラインにも変化を感じられるはずです。
朝と夜のルーティン筋トレ
筋トレは取り組むメニューの内容もさることながら、継続できるかどうかが何よりも大切です。おすすめは、顔を洗ったり、歯を磨いたりするように、朝と夜の一日2回、筋トレを行うこと。一日のルーティンの中に筋トレを組み入れて、毎日の習慣にしてしまいましょう。
筋トレとセットでストレッチを組み合わせる
筋トレの後にストレッチを行うと、筋肉の回復を助けるほか、血流を促進し、筋肉の緊張を和らげてくれます。また、ストレッチで筋肉を柔軟にすることで、運動のパフォーマンスが向上し、けがの予防にも役立ちます。筋トレとストレッチは必ずセットで行うようにしましょう。
筋肉を作る食事でサポート
筋肉を効率良く育てるには、良質なたんぱく質を十分に摂取することが大切。鶏肉や、豆腐や納豆などの大豆製品など、たんぱく質を多く含む食事を適度に取り入れてください。ただし、脂身たっぷりの肉などはカロリーオーバーになる恐れがありますので、摂取する食品や食べ過ぎには注意しましょう。
基礎代謝を上げる、朝の簡単筋トレ&ストレッチ

朝の筋トレは、深呼吸とともに背中の大きな筋肉を動かすことがポイント。新鮮な朝の空気を体内に取り入れながら、広背筋を動かすエクササイズを行いましょう。簡単な動きのようですが、しっかりと深く呼吸を行いながら背中の筋肉にアプローチすることで、効率良く筋肉をトレーニングすることができます。
筋肉を動かした後は、手首や股関節、足首などを揺らして緩めるストレッチを試してみましょう。
呼吸と広背筋のトレーニング
1.背筋を伸ばしてまっすぐに立ち、6秒間かけてゆっくりと深く息を吸い込んだ後、8秒をかけて息を吐き出します。
2.6秒と8秒の呼吸を10回繰り返します。
3.次に、6秒間息を吸いながら、両手をまっすぐ上に挙げて「ばんざい」します。「ばんざい」の姿勢のまま、8秒間息を吐きます。
4.6秒間息を吸いながら両手を下におろし、まっすぐ腕を下ろしてリラックスした状態で8秒間息を吐きます。
5.3と4の動きを8回繰り返します。
ポイント
手を上げながら息を吸い込むときは、しっかりと胸を開くことを意識してください。また、「ばんざい」をして息を吐くときは、広背筋や脊柱起立筋群など背中の各筋肉がキュッと固くなるように意識しましょう。
関節を緩めるストレッチ
1.手首や足首をよく回したり、振ったりしながら、関節の力を抜いていきます。
2.股関節を緩めるには、お尻を軽く横に振るようにして、凝り固まった部分をほぐします。太ももも同様に、振って緩めていきましょう。
3.手首、足首、ひざ、股関節、太ももなど、パーツごとに8~10秒ほど行いましょう。
ポイント
朝は身体が緊張していることが多いため、回したり揺らしたりすることで、各パーツをほぐせます。
基礎代謝を上げる、夜のゆったり筋トレ&ストレッチ

朝に比べて少し時間がある夜は、代表的な筋トレのスクワットを取り入れて、効果的なトレーニングに挑戦。眠りを妨げてしまわないように、筋肉トレーニングの後は、しっかりと時間をかけてストレッチをして、身体をリラックスさせましょう。
開脚スクワット
1.朝と同じように、6秒間かけてゆっくりと深く息を吸い込んだ後、8秒をかけて息を吐き出す呼吸を10回繰り返します。
2.両足を肩幅の2倍ぐらいに開いて立ちます。
3.太ももが外旋するように意識しながら、膝が内側に入らないようにしゃがんでいきます。
4.ゆっくりと腰を上げたら、ふとももを少し内側に戻します。
5.同様のスクワットを8~10回×2セット行います。
ポイント
腰を落としてスクワットをするとき、足の指をパーにして開くように意識しましょう。また、膝がつま先と同じ方向に開くよう、太もも(股関節)を外に旋回させることも忘れずに。慣れてきたら、3セットや4セットと回数を増やしてみてください。
前屈ストレッチ
1.足を少し開き、身体を前に倒しながら、お尻と太ももの裏側をしっかりと伸ばします。
2.次に、少しお尻を左に出して右足側に前屈し、左の側面を伸ばします。
3.右側のお尻を傾けて左足側に前屈し、右の側面を伸ばします。
4.それぞれ1.5分~2分を目安にして、正面・左側・右側の前屈をしましょう。
ポイント
前屈が難しい場合は、椅子の背につかまって太ももの後ろを伸ばすだけでも大丈夫です。開脚スクワットで使ったお尻と太ももを、しっかりとほぐしましょう。
ふともものストレッチ
1.ベッドに仰向けになって、まっすぐ横たわります。
2.右膝を大きく折り曲げて、お尻の下に右の足をたたみ入れます。その状態を2分間キープします。この際、お尻の下に入らない人は、足が外にはみ出ていても大丈夫です。太ももの前側が伸びているのを感じましょう。
3.右足をまっすぐに戻し、次に左足を同様にお尻の下に入れて、2分間ストレッチします。
ポイント
「足がお尻の下に来ない」「腰が浮く」などの場合は、無理をせずできる範囲の体勢で行ってください。足首が固い方は、足首を回すトレーニングなどを取り入れてみましょう。だんだんとできるようになってきます。
少し強度を上げたダイエット効果のあるストレッチ

朝と夜のエクササイズに慣れてきたら、ストレッチの強度を上げてみましょう。ただし、夜寝る前はあまり厳しい運動は向かないため、時間を考慮して行うようにしてください。なお、ストレッチだけを行う場合も、6秒間かけてゆっくりと深く息を吸い込んだ後、8秒をかけて息を吐き出す呼吸を10回繰り返してから行うとより効果的です。
片足屈伸(開脚)
1.両足を大きく開いて立ち、両手を胸の前でクロスします。
2.左ひざを軽く曲げて、右足を伸ばします。そのまま深く腰を落としていきます。
3.深い片足屈伸の状態で10秒キープし、ゆっくりと自力で腰を上げていきます。
4.まっすぐの位置に戻ったら、反対側も同様に深い屈伸を行い、自力で腰を上げていきます。
5.左右の片足屈伸を5セット行います。
ポイント
最初は浅めに屈伸してから、ゆっくりと時間をかけて深く腰を落としていきましょう。強度の高い運動なので、軽い筋トレである程度の筋力をつけてから行うのがおすすめです。
交差膝とじストレッチ
1.床に腰を下ろして両膝を曲げます。
2.おへそと同じ正面位置に右膝の角が来るようにして座り、右膝の上に左膝が重なるような感じで足を交互に折りたたみ、1分半以上キープします。
3.次に先に左膝の角がおへそと同じ位置に来るようにして座り、左膝の上に右膝が重なるように左足を折りたたんで、同様に1分半以上ストレッチします。
ポイント
股関節の深い部分をストレッチします。主に膝が上になっているほうのお尻が伸びていればOKです。
まとめ
基礎代謝を上げることは、太りにくい身体づくりの基本です。加齢とともに滞りがちになる代謝を高めるためには筋肉量を増やすことが大切。毎日の筋トレ&ストレッチで、しなやかで強靭な筋肉を身につけて、健康で美しいボディを手に入れましょう。簡単なメニューを朝・晩のルーティンに組み込んでしまえば、運動が苦手な人も継続しやすくなるはずです。
信頼の機能性表示食品
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン配合「シボリーナ」

ニッセンの脂肪対策サプリメント「シボリーナ」。ブラックジンジャーの力で、BMIが高め(BMI24以上30未満)の方のお腹の脂肪を減らす機能が報告されています。研究レビューでは、12週間の評価でお腹の脂肪が平均で-13.8㎠減少。内臓脂肪面積も-4.3㎠減少し、皮下脂肪と内臓脂肪の両方にアプローチします。機能性表示食品「シボリーナ」は、エビデンスに基づいた日本製の高い品質はもちろん、一日2粒目安のお手軽さ、継続しやすい価格など、毎日安心して活用していただけるよう、お客さまの声を反映して開発されました。毎日のブラックジンジャー習慣で、気になるお腹の脂肪対策を。無理なく、そして健康的に、お腹の脂肪減少を目指しましょう。
参考:
[解析対象者]
下記に該当する被験者を除いた、健常な男女52名にて解析
高血圧(収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上)
脂質異常症(HDLコレステロール40mg/dL未満、血中中性脂肪150mg/dL以上)
高血糖(空腹時血糖126mg/dL以上)
試験データ:ブラックジンジャー抽出物150mg(ポリメトキシフラボン12mg)配合品または非配合品を12週間、毎日摂取した比較試験結果
※研究レビューによる評価です
出典元:Diabetes Metab Syndr Obes.2018;11:447-458.