基礎代謝の低下や更年期の影響で、脂肪を蓄積しやすい50代は、ダイエットの悩みが増える時期。ホルモンの激動期ともいえる更年期には、食事を抜いたり超低カロリー食に偏ったりするよりも、栄養素やカロリーに気を配ったメニューを朝昼晩とバランス良く食べるほうがダイエットの近道に。
今回は、栄養士として数々の食事指導を手がけるプロが、50代におすすめのダイエットメニューをご紹介します。
※なお本記事は、弊社から監修者に依頼し、いただいたコメントを編集して掲載しています。
【監修者プロフィール】
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奥田ようこ/薬膳認定講師・野菜ソムリエ・発酵食スペシャリスト・食育インストラクター クッキングサロンecru主宰。武庫川女子大学家政学食物学科卒。食と健康にまつわる多数の資格を保持。自身の病気をきっかけに病気を予防する食事を考え薬膳にたどり着き、発酵食と薬膳を通して身体を整える料理を伝えている。2018年より朝日新聞タウン誌ぶんぶん料理教室チェリーテラスサポーターとして活動しているほか、バーミキュラアンバサダー、米国食肉輸出協会公認アメリカンポークマイスターなど企業タイアップも多数。食に関する記事やレシピ監修、食育講座、出張教室、味噌作り教室、出張料理のほか、オンラインレッスンも実施。
【目次】
50代がダイエットするにあたって意識したいこと

50代の女性は、太りやすく痩せにくい要因が重なる時期です。ダイエットを始める前に、今の自分の身体がどのような状態なのかを知っておきましょう。脂肪がつきやすくなっている原因がわかれば、何に気をつければ良いのかがよりクリアになってくるはずです。
基礎代謝が下がる
年齢を経るごとに身体の代謝は悪化してきます。基礎代謝とは、人間が生きるために最低限必要なエネルギー代謝のこと。つまり、「息をする」「臓器を働かせる」「体温をキープする」などの生命活動に使用されるエネルギーです。この基礎代謝に使われるエネルギー量は年齢とともに少なくなっていくため、若い頃と同じ食事メニューを食べていると、いつの間にかカロリー過剰になっている可能性があるのです。
一日の基礎代謝量は、年齢ごとの基礎代謝基準値と自分の体重から割り出すことができます。厚生労働省の資料では、50代女性の基礎代謝の基準値は20.7とされていますので、20.7(基礎代謝基準値)×体重で、自分の基礎代謝量を計算してみましょう。
【一日の基礎代謝量の計算例】
基礎代謝量(kcal)=基礎代謝基準値(20.7)×体重(kg)
・50代、60キロの女性の場合、20.7×60kg=1,242kcal
・50代、65キロの女性の場合、20.7×65kg=1,346kcal
女性ホルモンが減少する
閉経の前後5年間を含む約10年間を更年期と呼んでいます。日本人女性の閉経時期は平均50.5歳なので、40代後半から50代半ばぐらいに更年期を経験する人が多いようです。
更年期には心身ともにさまざまな症状が出がちですが、更年期太りという言葉もあるように、特に太りやすい時期でもあります。その主な原因のひとつは、女性ホルモンの分泌が急激に減ってしまうこと。女性ホルモンのエストロゲンには内臓脂肪を防ぐ働きがあるため、一般的に女性は皮下脂肪に比べて内臓脂肪はつきにくいのですが、更年期でエストロゲンが少なくなるとだんだんと内蔵型の肥満が増えてきます。お腹が前に出てきたように感じられる人は要注意です。
睡眠時間の不足
日本人の平均睡眠時間は7時間22分と、世界的に見ても睡眠時間が短いことで知られています。中でも50代女性の睡眠時間は短く、6時間未満の人が53.1%と過半数超え。睡眠時間が短いと、満腹を知らせる食欲抑制ホルモンのレプチンの働きが悪くなるため、食べてもなかなかお腹が満たされません。
それに加え、食欲を高めるホルモンのグレリンが活発化し、食べたい気持ちが増幅してしまいます。また、夜遅くまで起きていることでお腹が空き、つまみ食いも多くなります。よく寝ることはダイエットにとって、非常に大切な要素なのです。
50代のダイエットの健康的に痩せるためのポイント

ダイエットにはさまざまな方法がありますが、ホルモンバランスを崩しやすい50代女性には、身体に大きな負担をかける極端なダイエットはおすすめしません。無理なダイエットをすると、リバウンドの可能性が高くなるうえ、体調も崩しかねないからです。
身体のバランスを整えることは、更年期のダイエットの目的のひとつともいえます。身体に良いものを食べ、身体に悪いものは食べないという健康的なダイエットが50代の基本。朝昼晩の3食の食事内容を見直して、栄養バランスの良いメニューへとアップデートしてみましょう。
さらに、しっかりと寝ることと、できるだけ身体を動かすことにも意識的に取り組んで、ただ痩せるのではなく、自分の心身を労わるダイエットを目指しましょう。
朝昼晩の3食を食べる
ダイエットをしている人の中には、朝食を抜いてカロリーコントロールをしようとする人が多数いますが、欠食が原因で太りやすくなることもあります。人間は本来、一日に何度かに分けて食事を取る生き物なので、体内の代謝もそうした食習慣に合った働きをします。一日の食事回数が減ってしまうと、代謝機能に乱れが生じ、肝臓や脂肪組織で脂肪酸の合成が促進されることがわかっています。つまり、食事回数を減らすことで体脂肪が増えやすくなり、コレステロールや中性脂肪のレベルが高くなることがあるのです。
また、食事をした後は食事誘発性熱産生が上がってエネルギー消費がアップしますが、食事を抜けば食事誘発性熱産生が低下するので、摂取したカロリーが燃焼されにくくなることもわかっています。さらには、朝食を抜くと午前中の血糖値が不安定になり、集中力が低下したり気分が落ち込んだりしてしまうことも。心身ともに揺らぎやすい50代だからこそ、3食しっかり食べて、健康的に痩せるプランに取り組みましょう。
一日6時間以上の睡眠を目指す
睡眠不足が肥満や脂肪増加と関連していることは前述の通りですが、ダイエットのためにはいったいどれぐらい寝ると良いのでしょうか。
人間が健康を維持するために必要な一日の睡眠時間はだいたい6~8時間といわれています。年齢によって基準となる睡眠時間が異なり、15歳前後では約8時間、25歳で約7時間、45歳では約6.5時間、65歳では約6時間と、齢を取るごとに必要な睡眠時間がだんだんと短くなっています。50代の女性はできるだけ6時間以上の睡眠をキープしましょう。
とはいえ、同じ年齢でも睡眠時間には個人差がありますので、起きたときの体調やスッキリ感を自己チェックしながら、自分にとって理想の睡眠時間を見極めてください。
夜遅くの食事は睡眠を妨げるので、「晩御飯は睡眠の3時間前までに済ませておく」「お風呂にゆっくりつかって身体と心をリラックスする」「寝室の明かりを薄暗くして入眠を誘う」「スマホなどをベッドに持ち込まない」など、快眠のための工夫も試してみましょう。
身体を動かして筋肉を応援する
基礎代謝が低下する主要な原因のひとつは、筋肉量が低下してしまうことです。筋肉は脂肪に比べて消費エネルギー量が多いため、筋肉が多ければ多いほど、基礎代謝量が上がります。家の近くをウォーキングしたり、家事をしながら簡単な体操をしたりなど、意識的に身体を動かすだけでも筋力の衰えを防ぐことは可能です。
更年期による不調で身体を動かすことが億劫な場合は、腹式呼吸で大きく息を吸ったり吐いたりするだけでも、お腹の筋肉を応援できますので、できれば毎日の習慣にしましょう。
50代のダイエット食事メニュー。3食のバランスは?

一日の食事のメニューは、主にご飯やパンなどの主食、魚や肉などの主菜、野菜や豆類などの副菜で構成されます。バランスの良い食事メニューを作るには、主食40%、主菜25%、副菜35%の割合で献立を考えるのがコツ。ダイエット中は、少しだけ主菜を減らして野菜などの副菜を増やし、主食30%、主菜25%、副菜45%にしてもかまいませんが、早く痩せたいからと主食を極端に減らすのはおすすめできません。主食をコントロールしたいときは、「精製米ではなく玄米のご飯にする」「雑穀の入ったパンを食べる」など、量だけでなく食材を見直してみましょう。
また、筋肉を作るためにはたんぱく質が必要なので、肉や魚の主菜も適量いただきましょう。ただ、油分の多い肉や、砂糖や油をたっぷり使う調理法を避けるなど、カロリー過多にならないように工夫をしてください。
副菜は野菜や海藻がたっぷり入った味噌汁などでも構いません。しっかりと食繊繊維とビタミン、ミネラルを摂取しましょう。
更年期に摂取したい栄養素や避けたい食品は?

カロリーの過剰摂取は太ってしまう原因の筆頭ですが、ホルモンバランスの変化や加齢など、更年期の女性ならではの肥満の要因も多数あります。更年期女性がダイエットをする際は、更年期に不足しがちなに栄養素を積極的に取り入れることにも気を配りましょう。
積極的に摂取したい栄養素
◇カルシウム
骨密度の低下を防ぐため、カルシウムの摂取は非常に重要です。乳製品、小魚、緑黄色野菜などを積極的に食べましょう。
◇食物繊維
血糖値の安定に役立ちます。全粒粉製品、野菜、果物、豆類などに食物繊維が多く含まれています。
◇高品質なたんぱく質
たんぱく質は筋肉量の維持に必要です。肉や魚、豆類、乳製品から良質なたんぱく質を摂り入れましょう。
◇コラーゲン
エストロゲンが減るとコラーゲンが不足して、肌の弾力や潤いを保つことが難しくなります。コラーゲンの多い魚の皮や骨を食べたり、ビタミンCが豊富なものを食べたりして、コラーゲンの育成を応援しましょう。
◇ビタミンD
カルシウムの吸収を助けて、骨を健康に保ってくれます。更年期はエストロゲンの減少により骨密度が低下しやすいため、積極的に摂り入れましょう。
避けたい食品
◇高カロリーなお菓子
砂糖が多い甘いお菓子や脂肪たっぷりスナックはダイエットの敵。ほんの少しと思っていても、朝食や昼食に匹敵するほどのカロリーであることも。3食の食事を健康的にしていても、お菓子で台なしにしてしまわないように気を引き締めましょう。
◇高脂肪の食品
揚げ物やファーストフードなどは脂肪分が高いため、避けたほうが無難です。加工食品や一部の動物性脂肪または植物性脂肪に含まれるトランス脂肪酸には特に注意してください。
50代のダイエット食事メニュー。朝昼晩ごとにご紹介

50代のダイエットは、太りにくい食材や調理方法にこだわりながら、しっかりと朝昼晩の3食を食べるのが基本。身体に必要な栄養素を摂取しつつ、余分なカロリー摂取を避けることで、自然に健康的な体重へと近づいていきます。具体的にどんなメニューを食べると良いのか、50代女性のおすすめの一日の献立例を上げてみます。
朝食のおすすめメニュー
(例)焼き魚か卵焼きか納豆、具だくさん味噌汁、玄米ごはん、くだものなど
雑穀や玄米の入ったご飯には、ミネラルや食物繊維が豊富に含まれています。不足しがちなタンパク質は、しっかり食べることで補いましょう。筋力低下や肌・髪などのハリなど美容にも関係します。
野菜も重要。味噌汁を具だくさんにすると副菜にできて、朝から身体を温めることもできるのでおすすめです。
パンの場合は全粒粉を使ったものにして、おかずと温かい汁物を合わせてとるとより良い朝食になります。
また、日本人はくだものの摂取量が少ないので、朝ごはんにくだものを食べてビタミン摂取を。
昼食のおすすめメニュー
(例)生姜焼き定食(生姜焼き、キャベツサラダ、和え物、ご飯、味噌汁など)
定食型がおすすめです。外食でパスタや丼もの、コンビニのおにぎりやお弁当で済ませる場合は、主食・主菜・副菜のバランスができれば4:3:3程度になるように野菜のおかずをプラスしましょう。
夕食のおすすめメニュー
(例)炭水化物・脂質少なめの定食型(刺身、肉じゃが、お浸し、味噌汁、雑穀ご飯など)
ダイエットを意識している場合は、炭水化物や脂質を控えめにして、野菜や豆・大豆製品、魚などを中心に。
また、睡眠の3時間前までには食事を終えるように気をつけましょう。夕食の時間が遅くなりそうなときは、夕方や早めの時間に補食としておにぎりや軽食をとっておき、夜は野菜を中心にした軽めの夜食にしてバランスをとるのがおすすめです。
50代のダイエットスイーツメニュー

甘いものはダイエットの敵だとわかっていても、イライラしたり疲れたりしたときは、どうしても手が伸びてしまうことがあります。我慢をし過ぎて食欲が爆発してしまう前に、ダイエット向けのスイーツを上手に取り入れて、甘い誘惑をうまくコントロールしましょう。
糖分・脂質が少なく、食物繊維やミネラルが摂れるスイーツがおすすめ。カロリーが低いと、さらに良いでしょう。
ダイエット時のおすすめスイーツ
◇寒天やこんにゃくを使ったスイーツなど
寒天は食物繊維が豊富です。最近はこんにゃく由来のスイーツなどもありますし、自分でも簡単に手作りできるのでおすすめです。
◇ドライフルーツやナッツなど
添加物がなく、ミネラルや食物繊維、オメガ3がとれ、少量で満腹感がえられるなど、美容にもダイエットにも最適です。ただし、カロリーは高めなので、食べ過ぎは禁物です。
◇焼きいも
さつまいもは食物繊維やビタミンが豊富で満足感もあります。最近は焼きいも売り場のあるスーパーもあり、焼きたてのものを気軽に購入できます。
まとめ
更年期に当たる女性の50代は、心身ともに変化が起こりやすい時期です。女性ホルモンが低下して太りやすくなるのに、今までと同じダイエット法では思うように痩せられません。だからといって、極端なダイエットで無理をすると、心身の不調を招く恐れがあります。揺らぎやすい50代だからこそ、「悪いものは避けて良いものを食べる」という健康的な食事の基本に立ち戻りましょう。朝昼晩と3食をおいしくいただき、心身のバランスを整えることで、体重にも体調にも良い変化が起こるはずです。
なかなかダイエットの効果が出ずに心が折れてしまいそうなときは、お腹の脂肪の減少をサポートしてくれるサプリメントを活用するなどしてみても良いでしょう。
信頼の機能性表示食品
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン配合「シボリーナ」

ニッセンの脂肪対策サプリメント「シボリーナ」。ブラックジンジャーの力で、BMIが高め(BMI24以上30未満)の方のお腹の脂肪を減らす機能が報告されています。研究レビューでは、12週間の評価でお腹の脂肪が平均で-13.8㎠減少。内臓脂肪面積も-4.3㎠減少し、皮下脂肪と内臓脂肪の両方にアプローチします。機能性表示食品「シボリーナ」は、エビデンスに基づいた日本製の高い品質はもちろん、一日2粒目安のお手軽さ、継続しやすい価格など、毎日安心して活用していただけるよう、お客さまの声を反映して開発されました。毎日のブラックジンジャー習慣で、気になるお腹の脂肪対策を。無理なく、そして健康的に、お腹の脂肪減少を目指しましょう。
参照:
[解析対象者]
下記に該当する被験者を除いた、健常な男女52名にて解析
高血圧(収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上)
脂質異常症(HDLコレステロール40mg/dL未満、血中中性脂肪150mg/dL以上)
高血糖(空腹時血糖126mg/dL以上)
試験データ:ブラックジンジャー抽出物150mg(ポリメトキシフラボン12mg)配合品または非配合品を12週間、毎日摂取した比較試験結果
※研究レビューによる評価です
出典元:Diabetes Metab Syndr Obes.2018;11:447-458.