ダイエットに関心を寄せる人の間で、にわかに話題になっているブラックジンジャー。生姜と混同されがちですが、ブラックジンジャーと生姜は、成分や作用、使い方などが異なります。
脂肪減少に役立つといわれるブラックジンジャーの正体を掘り下げつつ、摂取の仕方や商品の選び方など、上手にダイエットに活用する方法をご紹介します。
※なお本記事は、弊社から監修者に依頼し、いただいたコメントを編集して掲載しています。
【監修者プロフィール】
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奥田ようこ/薬膳認定講師・野菜ソムリエ・発酵食スペシャリスト・食育インストラクター クッキングサロンecru主宰。武庫川女子大学家政学食物学科卒。食と健康にまつわる多数の資格を保持。自身の病気をきっかけに病気を予防する食事を考え薬膳にたどり着き、発酵食と薬膳を通して身体を整える料理を伝えている。2018年より朝日新聞タウン誌ぶんぶん料理教室チェリーテラスサポーターとして活動しているほか、バーミキュラアンバサダー、米国食肉輸出協会公認アメリカンポークマイスターなど企業タイアップも多数。食に関する記事やレシピ監修、食育講座、出張教室、味噌作り教室、出張料理のほか、オンラインレッスンも実施。
【目次】
ブラックジンジャーは黒生姜?効果や味を紹介

ブラックジンジャーをそのまま日本語に置き換えると「黒しょうが」。日本のスーパーでよく見る生姜の黒バージョンかと思いきや、学術的にはブラックジンジャーはショウガ科ウコン属となり、ショウガ科ショウガ属の生姜やみょうがとは少し属性が異なります。ブラックジンジャーはウコンの仲間なので、日本語では「黒ウコン」と呼ばれることも多いようです。
まずは一般的な生姜とブラックジンジャーの基本情報を比較してみましょう。
生姜(ショウガ科ショウガ属)
【成分と作用】
生姜の主な成分には、ジンゲロールやショウガオールがあります。ジンゲロールは生姜の辛味成分で、加熱すると、ショウガオールに変化します。血行促進作用や身体を温める作用、殺菌作用、食欲増進作用などがあり、日本でも身体に良い食品として古くから愛用されています。
【用途】
一般的な食品として料理の食材や薬味として広く使用されており、ジンジャエールや生姜湯など、飲み物としても人気があります。暑い時期には食欲増進、寒い時期には身体の保温など、家庭での健康管理によく活用されています。
ブラックジンジャー(ショウガ科ウコン属)
【成分と作用】
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンは、抗酸化作用で知られるポリフェノールの一種。脂肪代謝を促進して脂肪減少をサポートする作用、血流改善作用、筋力を高める作用などが注目されています。
なお、ブラックジンジャーを配合したサプリメントは商品によって製造法や配合が異なるため、それぞれ期待できる作用が異なります。自分の用途に合わせた機能性食品を活用しましょう。
【用途】
原産国のタイでは、古くから健康対策に活用されてきた伝統的な食品です。ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンに脂肪減少を促す作用があることがわかってからは、世界各国で健康食品やサプリメントとして活用されるようになりました。日本でも脂肪対策のための機能性表示食品として人気を博しています。
ブラックジンジャーと同じウコン属、ターメリックとの違いは?

ショウガ科ウコン属の食品は、ブラックジンジャーだけでなく、ターメリック、春ウコンなど、いくつかの種類に分かれています。ウコン属なら似たような作用があると思いがちですが、収穫時期や種類によって作用や用途が異なります。身体を温めるウコン、身体を冷やすウコンなど、真逆の作用になるケースもあるので注意して摂取しましょう。
春ウコン(姜黄/キョウオウ)
その名の通り、春に収穫されるウコンで、香りが強く、やや苦みがあるのが特徴。クルクミンやフラボノイド、精油成分を含んでおり、抗菌作用や抗炎症作用、消化促進作用のほか、身体を温める効果があると考えられています。健康食品やサプリメントなどによく使用されています。
秋ウコン(ターメリック)
秋に収穫されるウコンはターメリックの名で知られ、カレーのスパイスとして有名です。クルクミンや精油成分を含み、抗酸化作用、抗炎症作用、消化促進作用が期待できます。春ウコンとは逆に身体の熱を冷ます作用があります。
紫ウコン(ガシュツ)
主に春から夏に収穫されるウコンで、紫色の実を持ち、特有の香りと苦味があります。紫ウコンの持つ消化促進作用に着眼した漢方やサプリメント、健康食品が多数販売されています。その独特の芳香によって胃の機能を促進するとして、芳香性健胃薬に登録されています。
黒ウコン(ブラックジンジャー)
秋から冬に収穫され、苦みが強いのが特徴。黒ウコンの根茎の部分に含まれるポリメトキシフラボンに脂肪の代謝を促す作用があることから、ダイエットや脂肪減少を目的とした機能性表示食品(サプリメントなど)に活用されています。また、黒ウコンは脂肪減少のサポートだけでなく、別用途のサプリメントでも活用されています。
ブラックジンジャーはなぜ脂肪減少に効果がある?クラチャイダムとは?

ブラックジンジャーは原産国のタイでは「クラチャイダム」と呼ばれ、健康増進にはなくてはならないほど、深く国民の生活に溶け込んできた食品です。タイでは王国厚生省が認定する高品質なハーブ製品に「プロダクトチャンピオン」の称号を与えており、ブラックジンジャーもそのひとつとして知られています。
タイ本国では、ブラックジンジャーは1000年以上も前から人々の生活の身近にあり、古くからお茶や抽出物が活用されていました。ブラックジンジャー由来のポリメトキシフラボンに脂肪の代謝を促進する作用があることが示唆されたことで世界のダイエッターたちの目に留まり、ブラックジンジャーが世界へと広がっていったのです。
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンのダイエット効果と、その働きを裏付ける研究レビューをご紹介します。
脂肪の消費を促進する
ブラックジンジャーに含まれるポリメトキシフラボンにより、体内の脂肪が代謝されやすくなることが、日常活動時の呼吸商を測定する調査で明らかになりました。呼吸商とは、体内で糖質、タンパク質、脂質が燃焼する際に必要な酸素の量と排出する二酸化炭素の量の比率のことで、これを測ることによって、エネルギー代謝時に、体内にあるどの栄養素が優先的に消費されるのかを知ることができます。
論文調査でポリメトキシフラボン12mgを摂取した人の呼吸商を測ったところ、脂肪を優先的に消費して、日常活動のエネルギー源として活用していることが示唆されました。このことにより、ブラックジンジャーが脂肪代謝を促進し、体脂肪の減少に役立つことが科学的に示唆されています。
お腹周りの脂肪が減りやすくなる
ブラックジンジャー由来のポリメトキシフラボンには、特に腹部の皮下脂肪や内臓脂肪に働きかけ、脂肪の減少を助ける作用があると考えられています。
体重と身長から計算される肥満指数のBMIで、少しだけ肥満傾向がみられる人(BMI 24~30)が、12mgのブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを12週間継続して摂取したところ、平均で皮下脂肪-9.5㎠、内臓脂肪-4.3㎠が減少したという研究報告があります。
お腹周りの脂肪は、ダイエットに取り組む人の多くが気になっている部分。食事や運動を頑張っているのに、なかなかお腹周りの脂肪が減らないという人にとって、ブラックジンジャーは心強いダイエットサポーターになるでしょう。
ダイエットにブラックジンジャーが人気な理由は?

ブラックジンジャーという名を聞いて、通常の生姜と同じように食材として活用することを頭に思い描いた人も多いかも知れません。しかし、生のブラックジンジャーは日本では手に入りにくく、生姜のように毎日の料理に使用するのは現実的ではありません。粉末のパウダー状の商品であれば、一部の専門店やオンラインショップで手に入りますが、貴重なこともあり、やや価格は高め。また、ブラックジンジャーはウコンの中でも苦みが強いことで知られており、そのまま食してもあまりおいしいものではありません。粉末を料理などに入れておいしく食べるには、分量や調理法などに少し工夫が必要になるでしょう。
一方、ブラックジンジャーを手軽に摂取できる方法として人気となっているのがサプリメントです。目安になる量のタブレットを数粒飲むだけなので、外出予定があっても無理なく摂取できますし、何といっても簡単。挫折しがちな人や多忙な人も、継続しやすいというメリットがあります。
ただし、ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの脂肪減少の働きを実感するには、少なくとも12週間は継続するようにしてください。研究レビューの報告を見ても、数週間の短期間では作用が確認できていません。また、ブラックジンジャーのサプリメントを飲んでいるからといって気がゆるんでしまい、いつも以上に暴飲暴食をしてしまっては、当然ながらダイエット効果は期待できません。サプリメントはあくまでもダイエットのサポート役です。食事や運動による体重管理を主軸におきながら、ブラックジンジャーのサプリメントを活用すると、脂肪減少の効果がより感じられるでしょう。
ブラックジンジャーの販売店は?

日本でブラックジンジャーを摂取するには、粉末状のものか、ブラックジンジャー含有のサプリメントを利用するのが一般的です。ただし、通常のスーパーなどでは販売していないことが多いので、以下のいずれかで探してみましょう。
オンラインショップ
サプリメント、粉末ともオンライン上で購入することができます。同じブラックジンジャーでも多種多様な商品が販売されており、商品によって製法や利用の目的が異なります。購入の際は、しっかりと内容を見比べて購入するようにしましょう。
大手の健康食品店
健康食品を取り扱う店舗でもブラックジンジャー関連製品を販売していることがあります。健康食品コーナーやサプリメントのコーナーをチェックしてください。
ハーブ専門店、オーガニックショップなど
自然食品やハーブを専門に扱う店舗のほか、オーガニック食品を幅広く扱う店舗で、ブラックジンジャーの粉末が見つかることがあります。
ブラックジンジャーの選び方は?

ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンに着目した商品でも、すべての商品が脂肪減少に効果があるというわけではありません。ダイエットのサポートとしてブラックジンジャーを摂取するなら、脂肪減少を目的としており、機能性表示食品として販売されているものを選ぶようにしましょう。
成分表示などの情報を確認する
機能性関与成分であるブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンの含有量、その他の栄養成分表示をしっかりと確認しましょう。脂肪を減らしたり、脂肪を代謝したりする作用が確認されているのは、一日12mgのブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボンを摂取した場合です。利用しやすいように一日の摂取目安量や摂取法などの情報がきちんと提供されていると、より安心です。
信頼できる販売者から購入する
サプリメントは直接自分の身体に取り入れる食品であり、毎日摂取するものです。価格やお得情報などに惑わされず、必ず信頼のおける販売者やブランドから購入するようにしましょう。購入しやすいだけでなく、販売後の問い合わせ先が明記されているなど、サポート体制が整っているところがおすすめです。
12週間以上、続けられる商品を買う
ブラックジンジャーを活用したサプリメントは、価格も分量もさまざま。どんなに安くても機能性が担保できないような信頼性に欠ける商品はおすすめできませんが、高額すぎても継続しにくくなります。お腹の脂肪にアプローチするには、高額な商品を短期摂るだけではあまり効果は期待できませんので、少なくとも12週間は継続できるよう予算を立てて、商品を購入するようにしましょう。
まとめ
ブラックジンジャーはウコンの仲間。日本の食卓でよく見る生姜やみょうがとは、少し種類が異なります。ウコンにもターメリックなど、さまざまな種類がありますが、脂肪減少に効果があるとされるのはブラックジンジャーのみ。
日本ではダイエットをサポートするサプリメントとして、多くのブラックジンジャー商品が販売されていますが、信頼できるメーカーの機能性表示食品を選ぶことが大切です。値段だけで選ばずに、しっかりと成分表示や期待できる効果などを確認して、自分に合った商品を購入しましょう。
信頼の機能性表示食品
ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン配合「シボリーナ」

ニッセンの脂肪対策サプリメント「シボリーナ」。ブラックジンジャーの力で、BMIが高め(BMI24以上30未満)の方のお腹の脂肪を減らす機能が報告されています。研究レビューでは、12週間の評価でお腹の脂肪が平均で-13.8㎠減少。内臓脂肪面積も-4.3㎠減少し、皮下脂肪と内臓脂肪の両方にアプローチします。機能性表示食品「シボリーナ」は、エビデンスに基づいた日本製の高い品質はもちろん、一日2粒目安のお手軽さ、継続しやすい価格など、毎日安心して活用していただけるよう、お客さまの声を反映して開発されました。毎日のブラックジンジャー習慣で、気になるお腹の脂肪対策を。無理なく、そして健康的に、お腹の脂肪減少を目指しましょう。
参照:
[解析対象者]
下記に該当する被験者を除いた、健常な男女52名にて解析
高血圧(収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上)
脂質異常症(HDLコレステロール40mg/dL未満、血中中性脂肪150mg/dL以上)
高血糖(空腹時血糖126mg/dL以上)
試験データ:ブラックジンジャー抽出物150mg(ポリメトキシフラボン12mg)配合品または非配合品を12週間、毎日摂取した比較試験結果
※研究レビューによる評価です
出典元:Diabetes Metab Syndr Obes.2018;11:447-458.